
- →たこ某さん
- → 子猫さん
- →冬至さん
外国為替市場は、東証や大証などのような取引所というものが存在しません。インターバンクという、銀行・金融機関同士のネットワーク(電話、インターネット)で行う形式の取引であり、どこかの建物や場所で取引がされているわけではないのです。
投資家は、こうした銀行や金融機関、またFX会社の中から取引先を選び、FX取引を行います。ですから、時間という概念に左右されることなく、24時間いつでも取引ができるわけです。これを受け、外国為替市場は「眠らない市場」とも呼ばれることがあります。このメリットは、これまでの株式投資などに大きな衝撃を与えました。
株式市場は取引時間が決まっており、その時間を過ぎると市場は閉まってしまい、基本的に一切の取引ができません(取引自体が行われていません)。しかしFXは場所もなく、輪の中ではなく1対1の取引ですから、時間に左右されず取引ができます。前述の通り、FX取引において投資家は、多くの場合、FX会社から1つ(もしくは複数)を選択して、取引を行います。
すると、インターバンクの為替レートをベースとして投資家にレートを提供し、FX会社と投資家1対1の取引が行われるわけです。これまでの株式投資では、日中働くサラリーマンのような方達は、日中取引も市場の流れも確認できず、なかなか取引に参加できずにいましたが、FXの登場によって、アフター5や早朝の時間帯でも気軽に取引を行うことができるようになったのです。
さらに、日本において夜の時間帯は、ロンドン外国為替市場・ニューヨーク外国為替市場という世界的に巨大な市場が活発に取引を行う時間です。そのため、個人投資家が急増し、FXの人気が高まっていったと考えられます。このロンドン、ニューヨークというのも、どこかに場所があるわけではありません。その国で大きな取引(取引量が多い)がされるため、あたかも市場を形成しているかのように表現しているに過ぎません。
日本時間で言うと、早朝のウェリントン市場から、夜のニューヨーク市場まで、24時間、必ず活発な市場が存在し、眠ることなく取引が行われています(もちろん、東京外国為替市場もこの中に含まれます)。もちろん、株式市場のように「昼食時間」のようなものも存在しません。ですから投資家は、自分のペースで、自由に好きな時間でFX取引を行う事ができるのです。
確かにFX市場は24時間、休むことなく取引が行われていますが、本当にノンストップか?というと実はそうではありません。
実際は土曜日・日曜日は取引が停止します。これは、要するに銀行が土日休みであることに起因しています。詳しく言うと、月曜日の早朝・ウェリントン市場が開いたのが、その週のスタート。
そしてそこからはノンストップでウィークディの取引が行われ、金曜日の深夜・ニューヨーク市場でその週の取引は終了します。銀行が土日休みですから、レートを決めるインターバンク市場も停止することから、FXの取引も止まるというわけです。
もちろん、金曜日のニューヨーク市場が閉まった後、土日に経済に大きな影響を与えるイベント(例えば天災・テロ、国家危機、急な要人発言などの情報)があった場合、月曜日からの取引は大波乱で始まる可能性があります。
上記の通り、外国為替市場は、月曜日・朝から金曜日・深夜まで開かれ、ウィークディは24時間取引を行うことができます。
また、夜の時間は取引が活発な市場があることから、FX投資家が急増した背景にもなっています。しかし、そこからさらに進歩して、取引可能な時間帯全てで取引する“システム”も登場するようになりました。それが「自動売買」などと呼ばれるシステムです。これは、ソフトウェアなどのような形で提供・販売されることが多く、条件を満たせば、誰でも導入することができます。
そして、そのシステムへ自分の考えた(もしくは提供された)“取引ルール”を入力することで、システムが勝手に売買を決済まで行ってくれるというものです。自動売買システムは利益確定まで行ってくれますので、勝利の方程式さえ見つけることができれば、勝手にどんどん儲かる・・・と思うかも知れませんが、その取引ルールを見つけるのは極めて困難です。それは、こうしたシステムにおける取引ルールが、過去の情報等の分析に基づいて構築される以上、100%というのはありえないからです。
「去年の今頃はこうだったから、今年も同じだ」と言う構図は、必ずしも当てはまるわけではないのです。ですから、結局はその都度、取引の結果から設定する取引ルールを見直し、微調整を繰り返さなくてはなりません。上手に使えば、自分のいない間に利益を得ることのできるシステムではありますが、あくまでも市場は人によって動くものであり、その判断は人によってされるということを忘れず、過信せずに活用する事が大切だと言えます。