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FX投資における最大のリスク、それは値動きです。
マーケットリスクとも呼ばれますが、要するに通貨の価値が上がったり下がったりするというのが、最も大きなリスクになるわけです。FXは、元本保証・利益獲得の約束された投資ではありませんから、値動きで損をすることも充分にありえます。最悪の場合、投資した資金を全て失うことも充分にあり得るのです。
これは、売買による為替差益(キャピタルゲイン)であっても、金利による利息(インカムゲイン)であっても同じです(※FXにおけるインカムゲインは、いわゆる「スワップポイント」のことを指します)。為替差益であれば、買った時の価格よりも下がった時に決済すれば損失になりますし、利息であれば、例え低金利通貨を高金利通貨に交換して高い利息を受け取っていても、金利差が逆転してしまえば、保持しているだけで損失になってしまいます。
このように、値動きというのがFXにおける最大のリスクですから、このリスクをいかにコントロール・低減し、利益を獲得するかが最大のテーマと言うことになってくるわけです。
それでは、値動きのリスクを低減するためには、どのような措置を取るべきでしょうか?
ひとつめは「レバレッジ」のコントロールです。どんな時期でも同じレバレッジというのはありえませんし、キャピタルゲイン・インカムゲインで同じレバレッジということもありません。時期や通貨ペアの特性、投資スタイル・利益獲得のスタイルなどから、適切なレバレッジをその都度検討し、選択することが大切です。例えば、近い将来、レートに大きな変動が見られる可能性が高い場合、レバレッジの高い通貨ペアのポジションを保持していると、チャンスもリスクも高くなります。
そのままでも構いませんが、大切なことは正しい情報をしっかりと分析し、この先の動きが自分のポジションにとってチャンス側なのかリスク側なのかを、自分の責任において判断することです。もし、チャンス側と判断するならば維持、リスク側と判断するならばポジションを決済、というようなアクションを起こすべきでしょう。また、チャンス側で維持するだけでなく、さらに高いレバレッジを選択することで、より高い利益獲得が望めるかもしれません。
しかし、このジャッジに100%の保証はありません。誰もが予想だにしない方向に動くのが為替市場です。時には大胆に、時には慎重にレバレッジを活用し、リスクコントロール・チャンスメイクをしていくことが大切で、そのためには情報が何よりも欠かせないということになります。もうひとつのリスク低減は「通貨ペアの分散」です。
例えば、ユーロ/円の買いポジションだけに全資産を投入していた場合、ユーロが下落してしまえばおしまいです。そこで、例えば、米ドル/円・ユーロ/円・豪ドル/円などのように、資産をいくつかの通貨ペアに割り振ります。当然のことながら資産は有限ですから、それぞれに投入する資金は分散されます。
そのため、1つの通貨ペアだけに資金を投入した場合と比較して、大きく動いた場合の利益は小さくなりますが、その分、リスクを大きく低減させることができます。少なくとも、ひとつの通貨が大暴落した際に、市場から退場、つまり取引ができなくなるほどのダメージを受けることは防げる筈です。
ただ、何がなんでも沢山の通貨ペアに分散すれば良いという話ではありません。複数の通貨ペアに投資するということは、それだけ沢山の知識や情報を必要とします。ですから、まずは2種程度から始め、徐々に増やし、状況に応じて替えていくことが、リスク低減においては理想と言えます。
上記のように、どんなにリスク低減のための対策をしても、毎回必ず利益を出せるわけではありません。
しかし、放っておけばどんどん損益が膨らんでしまいます。そうなる前に決断しなければいけないこと、それが「損切り」「ロスカット」と呼ばれるもので、リスクと向き合うためには欠かせないアクションです。ロスカットとは、要するに、現段階で決済をすると損失が見込まれる(これを「含み損」と呼びます)通貨ペアのポジションを、決済することを言います。ただ、少し待てば下落から上昇に転換して利益になるかもしれません。
要は「進むか、戻るか」の選択をするわけです。これを見誤ると、大きな損失を抱えてしまったり、逆にせっかくの利益獲得のチャンスを逃してしまうことになったりします。実際に、小さな下落を見せた際にロスカットをし、その直後に大きな上昇の波がきた場合、「そのままポジションを維持していれば利益になったのに!」と後悔するケースは珍しい話ではありません。
その逆も大いにありえます。ですから、値動きにおけるリスクと向き合うために、このロスカットは非常に重要なのです。